葬儀・告別式・お通夜の違い 流れと基本マナー
社会人になると仕事関係でお世話になった方の訃報などで参列する機会が増える人も多いのではないでしょうか。また、親族との死別で喪主を務めることになる人も中にはいるはず。今回は葬儀に参列したときに滞りなく進められるように、基本的な流れや作法についてお知らせします。
葬儀とは?
そもそも葬儀とは、何を指す言葉でしょうか。
葬儀と葬式は同義で使うことが多いですが、正確には、看取り、納棺、お通夜、葬儀、告別式、火葬、納骨までの一連の儀式のことを葬儀と呼びます。
具体的には、故人を看取った後に、葬儀会社に頼んで納棺の儀を行います。そして、お通夜、葬儀、告別式といった故人とのお別れの儀式を行ない、火葬をします。その後、喪に服す期間が終わる四十九日の法事に合わせて納骨式を行うことが多いです。
こうした儀式には一つひとつ意味があるので、それらを理解しながら失礼のないように参加することが大切です。
お通夜とは?
お通夜と葬式にはそれぞれ違った意味があります。まず1日目に執り行われるお通夜は、家族や親族が集まって故人と一晩過ごす会です。夜通しろうそくや線香の炎を絶やさないようにして、身近な人たちと一緒に過ごす葬儀の前段階のような役割があります。
近年では一般の弔問客も参加しやすいよう、一日がかりではなく2〜3時間ほどで終える半通夜という形で執り行うことが多くなりました。
葬儀・告別式の違いとは?
通夜の翌日に行われるのが、葬儀・告別式。なかでも宗教的な意味合いがあるのが葬儀です。仏教の教えによると人は亡くなると死出の旅が始まり、四十五日の間は死者の魂が現世と来世の間にとどまっていると考えられ、亡くなった方が無事に成仏できるように、僧侶に読経をあげてもらって弔う行事です。
一方で告別式には宗教的な意味合いはなく、どちらかというと社会的な意味合いのある儀式です。告別式は付き合いの深さに関係なく、故人を知るすべての人たちに対して行われるお別れの儀式で、芸能関係の方が仕事関係者やファンの方へ向けて行う大々的な告別式の様子などをメディアで見たことがある人も多いと思います。
葬儀と告別式を同日に行う場合も
最近では葬儀と告別式を分けずに同日に行うことが多くなり、両方の違いがあまりなくなっているそうです。あえて両方の行事を分けるとすれば、読経が始まって遺族や親族が焼香をするところまでが葬儀、一般の参列者が焼香するところが告別式に当たります。
現代では葬式という言葉で、葬儀と告別式の両方を合わせて呼ぶことが多いです。
お通夜の流れ
昼間に執り行うお通夜は、もともとは故人と近しい間柄の人のみで行う行事でしたが、近年は宿泊施設を持たない葬儀場が増えた関係で、仕事関係や近所の方なども参列しやすいように夜の18〜19時頃から開始し、一日がかりではなく2〜3時間ほどで終える半通夜という形で執り行うことが多くなりました。そのため、一般の弔問客は昼間に行う葬儀や告別式ではなく、お通夜に参列することが主流になりつつあります。
1.開式前/親族は開式一時間前に葬儀場に集まり、僧侶や弔問客の到着を待つ
2.開式
3.焼香/故人と血縁関係が近い親族から弔問客の席順に焼香をしていく
4.僧侶による法話(その後退場)
5.喪主による挨拶
6.通夜振る舞い/別席で料理やお酒が振る舞われる
葬儀・告別式の流れ
葬儀は家族や親族などの近しい人たちが故人の冥福を祈る儀式である一方で、告別式は故人の友人や会社関係者、近所の方などといった人とのお別れをする儀式になります。現在では、葬儀と告別式が略式化された一体型のものが増えているため、今回は略式型の場合の一連の流れをご紹介します。
1.開式前/喪主や遺族は葬儀開始の10分前には着席し、僧侶の到着を待つ。祭壇の向かって右側前方から、遺族、血縁の近い親族が座り、左側に親しい友人、職場関係者が並ぶ。
2.開式/僧侶が到着後、葬儀社の司会が開式の辞を述べる
3.読経/僧侶による読経。故人に戒名が授けられる引導という儀式で、故人が浄土に導かれるとされている。
4.弔辞や弔電の紹介
5.焼香/僧侶の焼香後、喪主、遺族、近親者、一般参列者の順に焼香。全員の焼香が終わったら全員で合唱し、僧侶を見送る。
6.お別れの儀/故人の眠る棺の中に思い出の品を入れる。旅立ちに向けて参列者全員で別れ花を入れて棺の中を飾る。
7.釘打ちの儀式/棺に蓋をして釘打ちをする。
8.出棺/火葬場へ出棺をする。
いざというときに慌てることがないように、葬儀の流れや意味をきちんと理解して、遺族に失礼のないように配慮しながら参列するのが大人のマナー。ぜひ参考にしてみてください。
基本マナー1.お通夜・葬儀・告別式の服装
かつて、お通夜は亡くなった当日の夜に行われることが多かったため、喪服やブラックフォーマルは、事前に不幸を予期していたように見えて縁起が悪いとされ、落ち着いた色合いの平服(準礼装)で参列するのがマナーとされていました。しかし最近では、亡くなった翌日に通夜が開かれることが増えたため、喪服やブラックフォーマルでも参列してよいという考えが主流です。
男女別に服装の基本マナーをまとめました。
[男性の場合]
無地のブラックスーツ
金具など装飾のないブラックシューズ
[女性の場合]
長袖もしくは七分袖のブラックワンピース・スーツ(柄物・光り物はNG)
黒のストッキング
黒い光沢のないパンプス(ヒールが低く太いものが◎)
一連パールネックレス(ほか一粒パールのイヤリング、結婚指輪以外はNG)
(二連の真珠のネックレスは不幸が重なることを意味するため、葬儀ではマナー違反)
メイクは華美にならない控えめな色合いに
基本マナー2.香典の書き方、渡し方
お通夜で準備する持ち物と言えば、香典と数珠です。香典とは故人の霊前に供えるもので、献花代やお線香の代わりにお渡しするものです。
金額はいくら包む?
金額は故人と血縁関係が近い人ほど高額で、香典の額に応じて不祝儀袋の種類が変わります。具体的には以下が目安です。
親族によるお香典返しの負担もあるので、あまりにも高額にならない程度に包むのがよいとされています。
香典の書き方は?
故人の宗教によって不祝儀袋の表書きが変わるので、わからない場合はすべての宗教で使える「御霊前」を水引きの上に書きましょう。そして、水引きの下には自分の名前を書きます。
ちなみに神式では「御玉串料」、キリスト教では「お花料」となります。
袱紗の選び方は?
不祝儀袋を準備したら、袱紗(ふくさ)に包んで持っていくのがマナーです。袱紗にもさまざまなカラーがありますが、暖色系は慶事用、寒色系は弔事用と覚えておくと良いでしょう。寒色系でも、キラキラしたビジューや目立つリボンなどの装飾がついていないものが弔事用です。紫は両方に使えるので一つ持っておくと便利です。
香典の包み方は?
包むお札は新札を使用してはいけません。亡くなることを予測して準備していたように見えてしまい、縁起が悪いとされています。香典のお札の向きは、中袋の裏側(住所や名前を記す側)にお札の肖像画がある面を向けて入れます。この時肖像がは中袋の底に来る向きにしましょう。
表側には「壱」「弐」「参」といった大字と呼ばれる文字を使い、金額を書きます。これは、金額を簡単に書き換えられないようにするためです。
香典を渡すタイミングとマナー
お通夜と葬儀の両方に参列する場合は、お通夜でお渡しすることが多いようです。当日、本人の参加が難しい場合は、代理を立ててお渡しするか、郵送で送りましょう。
当日は受付で記帳を済ませたら、袱紗から香典袋を取り出し、係の方に名前が読める向きに変えて両手で渡します。その際に袱紗の上に不祝儀袋を乗せて、一言お悔やみの言葉を言いながら一礼してお渡しするのがマナーです。
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