[お通夜・葬儀・告別式]持ち物リスト&服装小物マナー/監修:吉川美津子さん
お通夜や葬儀・告別式への参列する際には、服装だけでなく持ち物にも注意したいものです。とはいえ、訃報の知らせは突然です。慌てずに対応できるよう、必要なものを確認しておきましょう。
葬儀参列に必須の持ち物
まずは、葬儀参列に必須の持ち物のチェックリストを確認してみましょう。
□香典
□袱紗(ふくさ)
□数珠
□ハンカチ
□財布
香典
香典は、お通夜か葬儀のいずれかに持参します。どちらにも参列する場合は、お通夜に持参するのが一般的です。
香典袋や表書きの種類は宗教・宗派によって違うのですが、事前に詳細がわかった状態で参列するケースはほとんどありません。もし故人の信仰がわからない場合には、シンプルなデザインの香典袋を選び、表書きは「御香典」または「御霊前」と記載するのが無難です。
また、香典袋に入れるお札が新札だと、故人の不幸を予期して準備していたように見える可能性があることから、新札は使わないのがマナーとされていますが、最近はあまり気にする必要はないでしょう。
袱紗(ふくさ)
香典は、香典袋のままカバンに入れず、袱紗に包んで持参します。
袱紗にも種類がありますが、葬儀に参列する際には不祝儀用を使用します。一般的に、黒やグレー、紺など、寒色系の色味で装飾の少ないものが無難です。
紫色の袱紗は、慶弔両用に使用できるので、一つ持っていると便利です。
袱紗を用意する時間がないときは、香典を無地のダークカラーのハンカチに包んで代用しましょう。香典を丁寧に扱うことが目的なので、ハンカチや風呂敷を用いることがマナー違反にはなりません。
数珠(じゅず)
お焼香の際に必要な数珠ですが、親族であっても数珠の貸し借りはマナー違反です。数珠は信仰の証でもありますので、自分の宗旨・宗派に沿った数珠をひとつ持っておくと良いでしょう。
色や素材に決まりはありませんが、厳密には本式の数珠は宗派によって異なります。冠婚葬祭に限らず、寺院観光等でも気軽に使える略式数珠をひとつ用意しておくと便利です。
ハンカチ
葬儀に参列する際に持つハンカチは、白色か黒色が基本ですが、多少色味が入ったり、刺繍や控えめなレースをあしらったものであれば問題ありません。原色系の赤やキャラクター柄など、派手で華やかな柄物はNGです。
財布
葬儀参列時には、できれば荷物を最小限に控えたいもの。香典や数珠、ハンカチなどの必要なものと貴重品だけになるように、荷物は小さくまとめましょう。
財布についてマナーが決められいている訳ではありませんが、他と同様、派手なものは避けた方が無難です。
あると便利な持ち物
気候などによって万が一の際に役立つものや持っていると便利なものについてチェックしていきましょう。
□タオルハンカチ
□折り畳み傘
□扇子
□手袋
□黒ストッキング
□化粧直しセット
タオルハンカチ
葬儀はフォーマルな場ですので、カジュアルなタオルハンカチのみを持つのはおすすめできません。
しかし、汗をかきやすい時期や雨の日などには吸水性の良いタオルハンカチが一枚あると便利です。綿のフォーマルなハンカチとタオルハンカチの二枚持ちがベストです。
折り畳み傘
天気予報しだいでは、折り畳み傘を用意しましょう。
晴雨兼用のものであれば、日差しが強い夏場にも使用することができるので便利です。葬儀参列の際の持ち物は、派手な色はNG。傘も、黒やグレー、紺などの控えめな色を持ちましょう。
扇子
夏場の暑い時期はもちろんですが、人が大勢集まった場所は熱気で温度が上がり蒸し暑くなることも。そんな時、扇子があればさりげなく仰ぐことができて便利です。
葬儀に持っていく扇子は、黒色を選ぶのがマナー。一つ持っていると、いざという時に困りません。
ただし、市販されている喪扇の中には、仰ぐことを目的とせず、自分と相手との「結界」という意味で儀礼的に使われることもあります。多くの人の目に触れるような場合は、扇子をパタパタ仰ぐのは避けたほうが良いでしょう。
手袋
手袋はトーク帽とセット使用することで格式の高いアイテムとなるのですが、日本で浸透しているスタイルではありません。そのため、逆に非礼だと受け止める方もいるので使用には注意が必要です。
派手なネイルをしている際など、隠さなければいけない理由がある時のみ使用するほうが無難でしょう。焼香の際には外さなければいけないというルールもありませんが、外した方が良いでしょう。
また、素材にも気をつけなければなりません。黒色のレースや、布製であれば問題ありませんが、死や殺生を連想させる革製の手袋はNG。革以外にも、ファーなどがついたものは同じ理由から避ける必要があります。
予備の黒ストッキング
喪服には黒色のストッキングを合わせますが、伝線しやすく、その伝線が目立ちやすいという難点があります。葬儀場によっては靴を脱ぐところもあるので、替えのストッキングを1足持っておくことをおすすめします。
葬儀には、30デニール程度の黒ストッキングが良いとされていますが、季節によっても異なりますし、デニール数が高くても質感の良いタイツも市販されていますので、デニール数にこだわることはありません。
逆に薄すぎて艶めかしさが出てしまうほうが弔事のシーンではふさわしくないため、気を付けましょう。
化粧直しセット
汗や涙でメイクが崩れてしまった時のために、化粧直しセットも持っておきましょう。荷物は小さくまとめる必要があるので、バッグに入る程度の必要最低限のものだけに抑えます。
ただし、葬儀式場ではゆっくり化粧室を使用できるとは限りませんので、そもそも直す必要がないメイクにすることをお勧めします。
葬儀の服装・小物マナー
葬儀に参列するにあたり、持ち物に気を遣うのはもちろんですが、服装や小物にも気を付ける必要があります。こちらでは、服装や小物のマナーについてご紹介します。
[ネックレス・イヤリング]一連パールが基本
ネックレスを付ける場合は、ジェットや白の真珠(パール)が基本ですが、黒真珠でもOK。一連のものを着用します。パールは別名「月の涙」と呼ばれ、涙の象徴として用いられます。
二連・三連のネックレスは不幸が”重なる”ことを連想させ縁起が悪いため禁忌とされています。
また、イヤリングやピアスは身につけないほうが無難ですが、もし付けるのであればシンプルな一粒タイプを選びましょう。
[指輪]結婚指輪以外は外す
結婚指輪以外の指輪は外しましょう。
結婚指輪であれば、ピンクゴールドやイエローゴールドなど明るい色の指輪も問題ありませんが、気になるようであれば外しておくのが無難です。ダイヤなどの石がついているものは外すか、石の部分を手のひらの方に回すなどの配慮が必要です。
[バッグ]光沢や金具付きのものは避ける
お葬式に持っていくバッグは、黒色であればなんでも良いわけではありません。布製で光沢のない、シンプルなデザインのものを選びます。また、金具がついているバッグも避けたほうが無難です。
バッグに荷物が入らない場合はサブバッグがあると便利です。こちらもラメやビジューなど光る装飾は相応しくありません。弔事には極力装飾の控えた黒のサブバッグを用いましょう。
バッグの作法
サブバッグや大きめのバッグ(リュックなど)は、受付の際にクロークがある場合は預け、会場に持ち込まない方が良いです。
ブラックフォーマル用の小ぶりのバッグなら、座席のある場合には基本膝の上に置いて座ります。お焼香に向かう際には座面や椅子の下に置き、席に着く際にまた膝の上に置きます。
椅子が設けられていない場合は、焼香台の前や横の荷物台にバッグを置いてお焼香をします。
荷物台がない場合でも、足元に置いてお焼香をして問題ありません。床に置くことに抵抗がある方は、脇に挟むなどしてお焼香をしましょう。
[靴]金具や紐がないミドルヒールを
足元は、黒色のパンプスが基本です。こちらも金具や紐など装飾がなく、太めのミドルヒールのものを選びます。ストッキングは、黒色のものを着用します。
夏でも生足は厳禁です。通夜であれば、ベージュも許容範囲内です。黒ストッキングの30デニール程度が適しているとされていますが、季節に応じて80デニール以上のストッキングやタイツを使用しても問題ありません。最近は厚くみえないタイツや、肌色の生地をミックスした黒タイツも市販されていますので、それらを活用しても良いでしょう。
[髪型]華やかにならないよう整える
髪型は、清潔感があってきちんとした印象であることが大切です。整えられていれば、結び方は問いませんが、華やかな印象にならない配慮が必要です。ゴムや髪留めは、黒や紺、茶系のものを選び、装飾が目立つものは避けましょう。
[メイク]派手な色やラメはNG
髪型と同様、華美にならないよう、ナチュラルメイクできちんとした印象になるよう気をつけましょう。
派手な色やラメは使わず、全体的に自然な色を選んでナチュラルメイクに仕上げます。
喪服の服装マナー
喪服とは、通夜・葬式などの弔事で着用する礼服のことです。女性のフォーマル服には3つの格式があり、正式礼装、準礼装、略礼装があります。
正礼服・正喪服とは
|洋装:シルクまたはウールの黒ワンピーススーツ
|和装:黒無地5つ紋付着物
正礼服・正喪服は主に、遺族や近い親族が着用する礼装です。
光沢のない漆黒無地であることがマナー。肌の露出を抑えたデザインで、スカートの丈は膝下であることなど、多くのフォーマルマナーがあり、格式の高いものです。
準礼服・準喪服とは
|洋装:アンサンブル、ツーピース
|和装:通夜は寒色系の色喪服に黒喪帯
葬儀・告別式は黒喪服に黒喪帯
通夜・葬式で弔問客が着用する喪服を指し、一般的な喪服がこれにあたります。
遺族でない場合は準礼服を着ていくことが基本です。和服の場合、遺族より格式の高いフォーマル服を着ることは失礼にあたりますので、気を付けましょう。
正喪服と異なる点として、生地に高級素材を使用していないものや、平リボンやレースなどの装飾が施されたファッション性のあるものがありますが、マナー上は問題ありません。その場合も光沢のない黒無地で、露出と装飾を控えたデザインが主流です。
最近では、ご遺族の方も準喪服を着る方も多いようです。
喪主でない場合、何を着たら良いか不安な方は準喪服を選ぶのが良いでしょう。
略礼服・略喪服とは
|洋装:ブラックなどダーク系スーツ・ワンピース
略礼服・略喪服はブラックのスーツやワンピース、パンツスタイルを指します。
正喪服や準喪服は、弔事用の『染め』を施しているため、一般的な黒色の洋服よりも『深く濃い黒色』になるのが特徴ですが、略礼服・略喪服の場合は、黒服であれば良しとされています。
これには「急な訃報に急いで駆け付けた」という意味合いが含まれており、通夜の服装は、仕事帰りに駆けつける人も多く、こちらの略礼服の喪服が多くみられます。黒以外に、濃紺やダークグレーの平服でも失礼にあたりません。
一方、葬儀や告別式は喪服、持ち物も黒で統一するのがマナーですので、気を付けましょう。
マナーを守って思いを込めた会葬を
人葬儀参列時の身だしなみは、大として身につけておきたいマナーの一つです。急な訃報の連絡にも、慌てずすぐに対応できるよう、弔事用の小物は揃えておくと安心です。
喪服やブラックフォーマル、弔事用の小物が手元にない場合は、一式揃うレンタルもおすすめです。
「Cariru BLACK FORMAL」のレンタルなら、最短即日配送のサービスもあり、急に必要な方にも安心です。クリーニングが不要なうえ、コンビニから着払いで返却も可能。夏用素材の喪服や豊富なサイズ展開など、時期によって使い分けをしたい方にも便利なサービスです。ぜひ、チェックしてみてください。
故人を偲び、ご遺族を慰める葬儀。マナーを守って、きちんと参列しましょう。
この記事を書いた人
吉川 美津子
葬送儀礼マナー普及協会理事。社会福祉士。 大手葬儀社、大手仏壇・墓石販売店勤務を経て、専門学校にて葬祭マネジメントコース運営に参画。現在は葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタントとしての活動に加え、医療・介護と葬送・供養の連携を視野に葬送・終活ソーシャルワーカーとしても活動している。 著書に「葬儀業界の動向とからくりがよ~くわかる本」(秀和システム)、お墓の大問題(小学館)など。監修本は50冊以上。
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