友人代表のスピーチ・主賓挨拶・新郎父謝辞の感動例文集

友人代表のスピーチ・主賓挨拶・新郎父謝辞の感動例文集

大切な友人の結婚式で、友人代表のスピーチを依頼されたらうれしいもの。と同時に、場を盛り上げたり感動させることができるか、逆にハズしてシラけさせたりしないかと、緊張しますよね。

緊張して失敗しないコツは、話す内容をしっかり用意して、話す練習をすること。あとはときどき新郎新婦の方を見ながら、気持ちを伝えるように心を込めて話すことです。今回はスピーチのマナーや失敗しないコツ、実践編として例文をご紹介します。

時間は3~5分

まずは話す時間の目処を確認しましょう。短すぎてはあっさりとしてしまうし、長々と話すと退屈させてしまいます。3〜5分くらいに収まるように考えます。テキストボリュームで例えると、400字詰めの原稿用紙3枚程度が目安です。

スピーチで避けたほうがよい言葉

結婚式の場で使ってはいけない言葉、つまり縁起が悪い忌み言葉や重ね言葉があります。

・ 別れを連想させる言葉
別れる、切れる、失敗する、去る、終わる、離れる
・ 不吉な言葉
壊れる、悲しむ、嫌う、倒れる、苦しい、病気、4、9
・ 再婚をイメージする言葉
再び、繰り返し
・ 重ね言葉
わざわざ、いろいろ、ときどき、いよいよ、日々

また話の締めに使われがちな言葉「終わりに」、「最後に」も結婚式では控えたほうがいい言葉のひとつ。つい使ってしまいそうな言葉もたくさん入っているので、文章を書いた後、改めてチェックをしましょう。

言ってはいけないNGネタ

友人たちだけではなく、仕事の関係者や親族など、さまざまな人が集まる結婚式。暴露話や過去の恋愛話は絶対にNGです。

・道徳に反する過去のエピソード
例)万引きをして逃げた学生時代、懐かしいですね
・異性関係の話
例)二股がバレて大ゲンカの末別れた彼女と今では親友な訳ですが
・過去の触れられたくない話
例)仕事が続かず、転職を繰り返していたあの時期、つらかったと思います

当たり前ですが、いくら仲がいいといっても、大勢の人に話してよいかどうかは別の話しです。せっかくのおめでたい場が台無しに……。
新郎新婦にとってマイナスになりかねない内容にならないように気をつけましょう。新郎新婦だけでなく、誰かを傷つける可能性のある内容も避けたいものです。
また、結婚式の主役はあくまでも新郎新婦。自分の話や自慢話はしないようにしましょう。

スピーチ一連の流れ

司会者に、「次に新婦の同僚である、◯◯様よりご祝辞を頂戴いたします」と紹介されてから、スピーチを始めるまで、次のような流れで4回一礼をします。

1.着席したまま同テーブルのゲストに対し一礼
2.その場で立ち、出席者全員に対し一礼
3.マイクのある場所まで行き、新郎新婦に対しゆっくり丁寧に一礼
4.出席者に対して一礼

スピーチのなかでもお祝いの言葉を言う際に、新郎新婦に対して一礼します。
スピーチ終了後は、開始と逆の順番に一礼があります。
出席者に対して一礼後、新郎新婦にも一礼します。席に戻ったら座る前に、同じテーブルのゲストに対して一礼し着席します。

友人代表スピーチの構成と作り方

最初にご説明したように、スピーチのテキスト量は、400字詰めの原稿用紙で、2、3枚程度が目安になります。原稿用紙を用意したら、早速文章を作っていきましょう。
基本的に構成は、以下の5つでOKです。それぞれ例文とともに、詳しくみていきましょう。

1.招待のお礼と祝福の言葉
2.自己紹介
3.新郎新婦との思い出エピソード
4.新郎新婦へのメッセージ
5.締めの言葉

1.招待のお礼と祝福の言葉

話し始める前に、お祝いの言葉を先に伝えることが礼儀です。このときに新郎新婦が起立している場合は、「どうぞ、おかけください」とひと言声をかけましょう。

例:「◯◯さん、◯◯さん、並びにご両家の皆さま、本日はご結婚おめでとうございます。このような素晴らしい結婚式にお招きいただき、お二人をお祝いできてとても嬉しく思います」

2.自己紹介

次は自己紹介で、新郎新婦との関係を簡単に話します。自己紹介は短く、簡潔に済ませましょう。

例:「ただいまご紹介に預かりました、◯◯と申します。新婦とは大学時代からの友人で、◯年の付き合いになります。」

3.新郎新婦との思い出エピソード

新郎新婦との思い出話は、スピーチの中でもっとも大切で、みんなが注目するところでもあります。褒めることを意識しますが、誰にでも当てはまる褒め言葉にならないよう注意。自分だからこそ知っている新郎新婦のいいところ、意外な一面がわかるような具体的なエピソードを話すと良いでしょう。

例:「普段は私の話をたくさん聞いてくれる◯◯さんですが、新郎の◯◯さんと付き合い始めたと話してくれたときはとても幸せそうで、早く会ってみたいな、結婚してくれたら嬉しいなと思ったことを思い出します」

4.新郎新婦へのメッセージ

新郎新婦の二人にはなむけの言葉を入れると、とても温かなスピーチになります。

例:「これからの人生、嬉しいことも大変なこともあると思いますが、お二人ならお互いを思い合い、温かな家庭を築いていけると思います。お二人の幸せを心から祈っています」

5.締めの言葉

最後に、締めの言葉でお辞儀をします。

例:「本日は誠におめでとうございます。ありがとうございました」

友人代表のスピーチは、カジュアルになりすぎず、かしこまりすぎない文章になる方が聞きやすいもの。長い文章なので全文を覚えるのは難しいかもしれません。メモや手紙を見ながらも、ときどき会場のゲストにも視線を向けて、明るく、はきはきと話すようにしましょう。

思い出エピソードの選び方

思い出エピソードは、スピーチのメインといっても過言ではありません。付き合いが長いほど選ぶのが難しいところですが、意外と些細なことがゲストの心に残るエピソードになったりします。

例えば「動物を見ると必ず話しかけるほど動物好きで優しい一面」、「電車でお年寄りや小さな子どもを見ると、すぐに席をゆずるなど気配りの出来る人」など、その人らしさが垣間見られるエピソードが喜ばれることも。

話しても大丈夫か心配なときは、本人に確認しておきましょう。

友人代表スピーチの文例

それでは、構成に則って作ったスピーチの全文例を、新婦の友人、新郎の友人の2例でそれぞれで見てみましょう。

新婦の友人スピーチ例

▲▲さん、〇〇さん、この度はご結婚おめでとうございます。
ご両家並びにご親族の皆様には、心よりお慶び申し上げます。
ただいまご紹介に預かりました、新婦友人の●●と申します。

このような素晴らしい結婚式にお招きいただき、お二人をお祝いできてとても嬉しく思います。
新婦のことは普段〇〇ちゃんと呼んでいるので、本日もそう呼ばせていただくことをお許しください。

〇〇ちゃんとは、中学校で知り合い、15年の付き合いになります。毎日一緒に登校して、放課後や休日にも、たくさん一緒に遊んだ仲です。
〇〇ちゃんはその当時からしっかりしていて、いつも悩み事を聞いてくれる、私にとって頼りになるお姉さんの的な存在でした。
別々の高校に進み、会う頻度は減ってしまいましたが、それでも夏休みには泊まりに行ったり、お互いが困っているときには励まし合うことができる、良い関係が続いています。

私が仕事で悩んだときには、遠くから一時間かけて車で会いに来てくれ、「大丈夫?」と心配してくれました。溜め込み、誰かに相談することが苦手な私を気遣い、じっくり話を聞き、時には一緒に涙を流しながら励ましてもらったことは一度ではありません。

その時に救われたこと、その心強さは、今でも決して忘れられません。そんな頼りになる〇〇ちゃんはいつも前向きで、私の憧れの存在でもあります。

▲▲さん、いつも人に頼りにされる〇〇ちゃんが、安心して頼れるように、側で支えてあげて下さい。
そして2人で明るく、笑顔あふれる素敵な家庭を築いてほしいと思います。

大変つたない話ではございましたが、ご結婚のお祝いの言葉とさせて頂きます。
本日は、本当におめでとうございます。

新郎の友人スピーチ例

▲▲さん、〇〇さん、この度はご結婚おめでとうございます。
ご両家並びにご親族の皆さま、心よりお慶び申し上げます。
ただいまご紹介に預かりました、新郎友人の●●と申します。

本日はおめでたい席にお招き頂きありがとうございます。
○○くんとは、会社の同期です。出会った頃から○○くんは中心的な存在で、ムードメーカーの明るい人でした。
誰かが仕事で悩んでいたり、落ち込んでいるのを見つければ、すぐにご飯に誘い、一緒に解決しようとしてくれます。やさしくて、同期からだけではなく先輩や後輩からも信頼を得ている、男性から見てもとてもかっこいい存在です。

そんな〇〇くんは、誰よりも努力家でもあります。帰宅後も仕事に役立つ〇〇の資格取得のために勉強をしていたのを知って以来、本当にこの仕事が好きで頑張っているんだなと、改めて尊敬の気持ちを抱いていました。

▲▲さん、○○くんはちょっと無理をして頑張ってしまうところがあります。そんなときには、その温かい笑顔で○○くんを癒してあげて下さい。
そして明るく、笑顔で溢れる素敵な家庭を築いていって下さい。

大変つたない話ではございましたが、ご結婚のお祝いの言葉とさせて頂きます。
本日は、本当におめでとうございます。

慣れていないなら手紙の朗読

スピーチは新郎新婦だけでなく、ゲストに向かって話すため、内容を考えるのが大変なところも。でも手紙なら、新郎新婦に向けて書けばいいので、書きやすく話しやすいのがメリット。手紙を読む場合はスピーチの自己紹介の後、ひと言「手紙を書いてまいりましたので、読ませていただきたいと思います」と断りを入れましょう。

手紙の場合のスピーチ例

▲▲さん、〇〇さん、この度はご結婚おめでとうございます。
ご両家並びにご親族の皆さま、心よりお慶び申し上げます。
ただいまご紹介に預かりました、新婦友人の●●と申します。

本日はおめでたい席にお招き頂き、ありがとうございます。〇〇さんより友人としてスピーチをお願いしたいとお話をいただきましたが、感動してうまく話せないと思い、手紙を書いてまいりましたので、読ませていただきたいと思います。

普段〇〇と呼んでいるので、いつものように〇〇と呼ばせてください。

〇〇へ

結婚、本当におめでとう。初めて〇〇と出会ってから、あっという間に10年が経ちましたね。

〇〇と出会ったのは、バレエ教室だったね。学校は別々だったけど、レッスンが忙しかったから一緒にいる時間が学校の友人よりも長く、一緒に頑張ってきました。
仲良くなってからは、レッスンがない日にも遊びに行ったね。カラオケに行ったり、お互いの家でお泊り会をしたり、〇〇といるのが居心地がよくて、楽しい思い出がたくさんあります。

特に印象深いのは、私がうまく踊れなくて、もう辞めたいと泣いた16歳のときのこと。〇〇が「いま辞めたら後悔するんじゃない? 私は一生懸命頑張ってきた●●のことずっと見てきたよ。大丈夫、最後まで一緒に頑張ろう!」と励ましてくれました。〇〇の前向きな言葉のおかげで自信がわき、バレエを続けられた経験は、いま私の財産です。

そんないつでも人のことを温かく見守ってくれる〇〇のことだから、明るく楽しい家庭になると思います。

初めて新郎の▲▲さんを紹介してくれたとき、○○の幸せそうな様子と結婚を視野に入れたお付き合いと聞いて、自分のことのように嬉しかったです。▲▲さんが本当に優しそうな素敵な人で、さらに嬉しく思いました。

これから新しい生活がスタートして環境は変わるけれど、私はずっと〇〇のこと応援しているし、ずっと親友です。
また旅行に行ったり美味しいものを食べに行ったり、女子トークで盛り上がろうね

▲▲さんといつまでもお幸せに。

〇〇年〇月〇日〇〇より

友人代表以外のスピーチの文例

友人代表以外にもスピーチをお願いされることがあります。ここからは、主賓と新郎父が行うスピーチの文例を紹介します。

主賓挨拶の文例

▲▲君、○○さん、この度はご結婚おめでとうございます。また、ご両家の皆様にも、心よりお祝い申し上げます。
ただいまご紹介に預かりました、新郎上司にあたります、○○と申します。
本日は、素晴らしい披露宴にお招きいただき、誠に光栄でございます。
新郎▲▲君が、私どもの部署に配属されてから、早〇年が経ちました。はつらつとしたフレッシュな青年が、今ではとても頼りになる存在に育ってくれました。
実直で心根の優しい▲▲君は、社内はもちろん取引先からの人望も厚く、営業部のエースとして活躍してくれています。また、これからの成長と活躍もおおいに期待しております。
そんな▲▲君から、結婚の話を聞いたときは、我がことのようにうれしく思ったものです。
今日初めて○○さんにお目にかかりましたが、聞いた通り優しそうで笑顔がチャーミングな方で、幸せそうなお二人を見て私も幸せな気持ちになりました。
これからお二人は結婚生活を築いていくわけですが、少しだけ人生の先輩である私から、アドバイスを申し上げたいと思います。
結婚生活は、楽しいことや変化に富んだ毎日ばかりとは限らず、一緒にいることが当たり前に感じてしまうこともあるでしょう。しかし、どんなときでも「感謝の気持ち」を忘れることなく、言葉にして伝えてほしいと思います。そうすれば、どんな局面を迎えても、お二人なら力を合わせて乗り越えていけると思います。
つたない挨拶ではございましたが、お二人へのはなむけの言葉とさせていただきます。
▲▲君、○○さん、本日はおめでとうございます。

新郎父の謝辞の文例

新郎の父○○○○でございます。お忙しいところ二人の結婚式にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
両家を代表いたしまして、皆様方に心より御礼申し上げます。
本日二人に向けてたくさんの祝福のお言葉を頂戴し、親としてこの上ない喜びを感じております。皆様に愛され、可愛がっていただき、結婚という晴れの日を共に喜んでいただけたことは、息子夫婦にとっても何より幸せなことです。
本日新しいスタート地点に立った二人ですが、私どもから見ますと、まだ未熟で半人前です。本日ご列席くださいました皆様方におかれましては、これからも二人に温かく厳しいご指導を賜りますようお願い申し上げます。
感謝の気持ちは尽きませんが、ご臨席の皆様のご多幸をお祈りいたしまして、ご挨拶にかえさせていただきます。
本日は、誠にありがとうございました。

成功するスピーチを作るポイント

最後に改めて、スピーチが成功するポイントをまとめます。

上手にできるかよりも、心を込めて一生懸命話をしてくれたことを、新郎新婦は嬉しく思うはず。素敵なスピーチになりますように。

1.構成に沿ってしっかりつくる
聞きやすく、好印象のスピーチになります。

2.みんなを笑顔にするエピソード選び
自分だからこそ話せる、新郎新婦のいいところを褒めるような内容を選びましょう。

3.美しい日本語を使う
敬語の使い方など、正しい日本語を意識しましょう。

4.明るく話す
多少言い間違えても、笑顔で話せたらOK。明るく、堂々とはきはき話して。

5.何度も読む練習をする
強弱をつける箇所、一拍置く箇所、セリフの箇所、新郎新婦を見る箇所などを意識しながら練習をしてみましょう。時間をはかり、加えたり、削ったりの修正ができると良いですね。

6.堂々と安心感のある立ち振る舞いを
胸を張って堂々と立ち、はきはきと話しましょう。時折会場全体を見まわしたり、新郎新婦や列席者に視線を向けたりすると、堂々としているように見えます。

7.背筋を伸ばして正面を見据える
男性の場合、足を外側に向けて少し開くのがポイント。女性はかかとをつけた状態でつま先を少し開くと美しい姿勢になります。手は前で軽く組むか自然に横におろしておきましょう。

8.お酒を飲み過ぎない
お酒を飲み過ぎた状態でのスピーチは厳禁です。せっかく素敵なスピーチを準備していても、だらしなく見苦しい印象を与えかねません。
お酒を飲む場合は、緊張がほぐれる程度、舌が軽やかになる程度にとどめましょう。

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